中国には医食同源という考え方がありますが、薬膳などはこの考え方が基本です。薬効成分を抽出して医薬品にしたり、自然界の薬効成分に似せた化学薬品をつくるのが主流である欧米の近代医学・西洋医学(日本の主たる医療もこれです)でも、最近はこの発想の大切さに目を向け始め、メディカル・ニュートリションという言葉がひんぱんに使われるようになっています。
生活習慣病を予防するには、この「医食同源」という考え方がとりわけ大切です。医薬品はもっぱらかかってしまった病気の治療に対処するもので、予防には適しません。また、特に医薬品は、副作用や使用する薬品間で起こる相互作用など、想定内、想定外を含めた様々な作用があるため、使用には注意を怠ることができません。
高血圧などの循環器系の病気は、血液がどろどろに濁ったり、血管がコレステロールなどで詰まったりするのが原因のひとつですから、日頃から血をサラサラときれいにしておくのが大切です。
糖尿病は、糖のコントロールに良い食べ物を日頃から摂取して予防しましょう。
特に最近は食物繊維(せんい)の糖コントロール機能が注目されています。食物繊維は腸管で糖や脂肪、コレステロールの吸収をゆるやかにし、とりすぎによる様々な疾患を未然に防ぐ上で重要な働きをしてくれるとわかったのです。
植物が糖尿病になったなどという話しは聞いたことがありませんが、最近、糖の吸収を抑える成分や酵素を持つ植物が相次いで見つかっています。植物は自身で糖コントロールができるのです。
たとえば、バナバ茶、桑の葉、ニガウリなどがそのよい例です。
ほかにも、ボケ予防によいとされるイチョウ葉のエキス、各種の漢方製剤など、「医食同源」を基本とする高機能食品群がたくさん出回るようになりました。これらの特徴は、副作用が殆どないこと、効き目がゆるやかでおだやかなこと、依存性がないこと、丸ごと活用する場合思わぬ機能が現れること、などです。
人間のカラダには、自分で自分のカラダを治癒する能力が備わっています。実はこの力が一番大切で、医師や薬は自然に治っていくプロセスを促進したり、症状が悪化しないよう抑える役割をはたすのが本来の役目なのです。
自然治癒力、免疫力を活性化するには、
○心のもちよう
○規則正しい生活
○適性な食生活
○適度な運動
○よい環境
が必要で、これに呼吸法と瞑想法が伴えば、言うことなしです。
現代社会では、これらを全部満たす毎日をおくるのは容易ではありません。だからこそ、「医食同源」の考え方に基づいた優良な補助食品の活用が望まれるのです。やはり、まずは“食”から、なのです。
インドには「アーユルヴェーダ」という4000年もの長い歴史のある伝承医学があり、中国には漢方、中医学があり、日本にも古来和漢薬という伝統がありました。タイにはタイ方医学、チベットにはチベット医学があり、いずれも珍重されています。「アーユルヴェーダ」も「中医学」もそれぞれの国が認めた正式医学です。
日本では、医学部の授業でも西洋医学の講座が圧倒的主流で、せいぜい漢方の講座がいくつかある程度です。西洋医学を学んだ者のみに医師の国家資格が与えられます。
東洋医学の素晴らしさは、人間を「生きている人間」として丸ごととらえ、本来の免疫力・自然治癒力に依拠した癒しを施す点でしょう。唯一欠点は、分析的にはあまりとらえないので、効能のメカニズムや成分がはっきりしなかったり、人によって効果が違ったりするところです。基本的にファジーで、結果オーライな面が否めません。
最近では、西洋、東洋の両方の良いところを合わせる統合医療(ホリスティック・メディスン)の潮流が広がりはじめています。